Aさん
今すぐ、かつスムーズに退職することができることで有名な退職代行。
退職代行の利用を検討している人の中には退職金や有給が使えるのか気になる人も多いと思います。
そこでこの記事では退職代行を使うことで退職金や有給はどうなるのかについて解説します。
- 有給休暇や残業代とは違い、退職金は減る可能性がある。
- 就業規則を確認して退職金が減るか否かを確認しよう!
- もし退職したいならバックレるのではなく、退職代行を利用しよう
退職代行を利用すると退職金や有給休暇はどうなるのか?
退職代行を使うことで退職金や有給休暇はどうなるのか気になる人は多いと思います。
結論から申し上げますと有給休暇は貰えますが、退職金は下がる可能性があります。
- 有給休暇は貰える
- 残業代も請求できる
- 退職金は下がる可能性がある
それでは各理由について詳しく解説します。
有給休暇は国民の権利
有給休暇は労働基準法39条に定められている国民の権利です。
そのため社長が「私の会社では有給休暇を用意していません」と言っても意味がありません。
有給休暇の日数は勤務している日数と出勤している割合で決まります。
最大日数の有給休暇を貰うためには6カ月勤務し、全労働日の8割以上出勤する必要があります。
その後、1年ごとに有給休暇が付与されます。
雇入れの日から起算した勤続期間 | 付与される休暇の日数 |
---|---|
6か月 | 10労働日 |
1年6か月 | 11労働日 |
2年6か月 | 12労働日 |
3年6か月 | 14労働日 |
4年6か月 | 16労働日 |
5年6か月 | 18労働日 |
6年6か月以上 | 20労働日 |
また、パートやアルバイト、全出勤日が8割を下回る人にも有給休暇は与えられます。
例えば週所定労働日数が4日の人は以下のようになります。
雇入れの日から起算した勤続期間 | 付与される休暇の日数 |
---|---|
6か月 | 7労働日 |
1年6か月 | 8労働日 |
2年6か月 | 9労働日 |
3年6か月 | 10労働日 |
4年6か月 | 12労働日 |
5年6か月 | 13労働日 |
6年6か月以上 | 15労働日 |
有給と聞いたときにみんなが気にしていることは時季変更権でしょう。
時季変更権とは労働者が有給を取る日を指定して、有給休暇の申請を行ったことのに対して、会社側から有給を取る日の変更を求めることができる権利のことです。
実は有給は必ず支給されるものですが、必ずしも申請が通るものではありません。
このことに関しては労働基準法第39条5項にも書かれています。
時季変更権は労働者が有給を取得することで会社の業務に支障がでてしまうことの対処として設定されています。
しかし、時季変更権に関しては心配ないと思われます。
時季変更権は有給をずらすことができる権利であって、消滅させる権利ではないためです。
そのため、退職が決まっていて、ずらすことができない場合は時季変更権を使うことはできないと思われます。
残業代も請求できる
残業代も請求できます。
残業代は所定労働時間外に労働者を働かせたことによる手当として支給されます。
そのためログなどの証拠を残していれば残業代も請求できます。
気を付けないといけないことは、業者が運営する退職代行では残業代が請求できない可能性があることです。
これは非弁行為という問題が関わってきます。
非弁行為とは弁護士法72条によって認められている弁護士が行う業務を弁護士でない人が営利目的で行うことです。
そのため弁護士が行う業務なので弁護士、または弁護士が運営してない退職代行が残業代の請求を行うことはできません。
ただし、労働組合が運営する退職代行の場合は団体交渉権を行使して会社と相談することができます。
従って弁護士、労働組合ではない退職代行は残業代の請求ができないというわけです。
退職金の場合は話が変わる
退職金は労働基準法で定められていない、会社独自の制度です。
そのため、就業規則に則って支払われます。
例えば引継ぎ等を行わないで退職した場合は退職金を半額にすると就業規則に書かれている場合は、受け取れる退職金は半額になります。
退職代行を利用して退職する予定の人は、一度就業規則を確認することをおすすめします。
【予備知識】約20%の企業は退職金が元からない
会社を辞める際に、会社から支給される退職金はどの会社でも当たり前のように発生するものと考えられていますが、そもそも全体の約2割の会社では退職金制度すらありません。
法律などで退職金制度の制定などが決められていないからです。
そのため、辞め方や辞めるまでの期間などを考える前にまずは会社の就業規則などについて調べてみることから始めましょう。
先輩などに聞いてみるのも一つの方法ですが、退職金制度があり途中で変更になったというようなこともありえるので注意が必要です。
退職金は全部で2種類ある
退職金は、会社で働いた年数などにより退職時に支給されるものですが、その種類には2種類あります。
- 退職一時金
- 企業年金
この2つの退職金について違いなどを解説していきます。
退職一時金
退職一時金とは、文字とおり退職の際に支給されるお金であり、その金額や発生するタイミングなどは企業によって異なります。
基本的には勤続年数や役職、基本給の額や資格の有無、それまでの功績なども踏まえ決定することが多いです。
退職金規程がある場合には、その算定方法等も記載しているため、必ずチェックするようにしましょう。
企業年金
企業年金とは、退職後など老後に向けた年金の積立を行う制度であり、種類としては3つあります。
- 企業型確定拠出年金
- 厚生年金基金
- 確定給付企業年金
これらの企業年金は、企業内部だけで運用する退職一時金とは違い外部に運用を委託していることが特徴です。
転職先でも同じような制度を用いている場合に関しては、その場で引き出さずに引き継ぎが可能です。
退職金制度がある会社は、このどちらかでの運用が行われ、社内の規定により退職金が支払われます。
退職代行を利用するメリット
退職金が下がるかもしれないと聞いて、残念に思う人も多いと思います。
しかし、退職代行はそれ以上にメリットが多いと言えるでしょう。
退職代行を利用することによるメリットについてお話します。
- メリット①会社を辞められないという雰囲気から脱出できる
- メリット②郵送でやり取りが完結する
- バックレのほうがマシなのでは?
会社を辞められないという雰囲気から脱出できる
会社を辞めたくても辞められない人はいませんか?
例えば長時間働かされているのに給料が上がらない、上司のセクハラやパワハラについていけないといった悩みはあると思います。
しかし、同僚の前で辞職願を出すのが恥ずかしい、上司の罵声や引き留めがめんどくさいといった理由でなかなか退職に踏み切れない人は多いでしょう。
そこで退職代行の出番です。
退職代行はあなたの代わりに、会社に退職の連絡をしてくれます。
あなたは代行業者の指示に従って、退職届やその他書類を作成するだけ!
家でまったりしながら、気が付いたら退職することができます。
また、信頼できる退職代行サービスであれば有給や未払いの残業代の交渉もしてくれます。
安心かつ確実に退職したいなら退職代行の利用も1つでしょう。
郵送でやり取りが完結する
退職の連絡は退職代行が行うため、基本的には退職届や保険証を郵送するだけでOKです。
逆に言うと退職代行に満足して、退職届や保険証を郵送することを忘れると大変なことになります。
退職代行はあくまでも退職の連絡をあなたの代わりに行うのであって、確実に退職するためには直筆の退職届が必要不可欠です。
そのため退職代行を行ったからと満足せず、必ず退職届を郵送しましょう。
バックレのほうがマシなのでは?
お金を払って退職するのは嫌だ、退職届を書くのもめんどくさい!
そう思って会社をバックレようという人が一定数います。
しかし、バックレは絶対にやってはいけません。
なぜバックレをしてはいけないのかというと、最悪の場合懲戒処分が下る可能性があるからです。
本人は会社を辞めたつもりになっているかもしれませんが、会社を無断欠勤していることと同義です。
長期間無断欠勤が続いたとして懲戒解雇を言い渡すことは不自然なことではありません。
無断欠勤した分を後から有給休暇にすることはできません。
そのため、会社を辞めたいときは必ず、退職届を提出するようにしましょう。
退職代行を利用するデメリット・リスク
退職代行を利用することで、引き止められたりすることがなく、上司や先輩を揉めることなく会社を辞めることができます。
その他にもメリットがあるのですが、デメリットもあります。
- デメリット①退職金が減給される可能性がある
- デメリット②会社を辞めるだけなのにお金がかかる
この2つのデメリットに関して詳しく解説していきます。
デメリット①退職金が減給される可能性がある
基本的に退職代行サービスの利用と退職金はなんの関係もなく、退職金が減ることないと言えます。
ただし、明確な退職金の計算方法がない場合や、功績などによって決まる会社に関しては明確な計算方法がないため、辞め方の印象により下がってしまう可能性はありえます。
退職代行サービスはm最近になり利用が当たり前になりつつありますが、辞め方として良く思っていない人がいるもの事実です。
また、即日退職などで急に辞めたり出勤をしないまま辞めることで少なからず会社に迷惑はかけているため、多少影響する可能性はあります。
ただし、退職金制度があるにも関わらず退職代行サービスを利用したから支給しないというのは不当ですので、弁護士などに相談するようにしましょう。
デメリット②会社を辞めるだけなのにお金がかかる
退職代行サービスの利用するデメリットの2つ目が「お金がかかる」という点です。
退職する権利は労働者全員にあり、最短で退職日の2周間前までに意思を伝えれば誰でも会社を辞めることができます。
もちろんどのような状況であれ、辞めるのに罰金を払ったりお金が発生することも一切ありません。
退職代行を利用すると、業者にもよりますが最低でも2万円ほどのお金が必要です。
これだけを聞くと少しもったいないようにも思えますが、体調不良で動きにくい場合や引き止められてズルズルと無駄な時間を過ごすくらいなら利用した方が良いと言えるでしょう。
退職する際に注意すべき点
退職代行を利用した退職や利用しない退職に共通して会社を辞める場合に注意しないといけないことがあります。
- バックレたり無断欠勤をしない
- 次の転職先を見つけて内定を貰っておく
- 寮などに住んでいる場合は次の住む場所を探しておく
- 繁忙期に退職を申し出るのは避けたほうが無難
この4つの注意点について解説していきます。
バックレたり無断欠勤をしない
お金を払って退職するのは嫌だ、退職届を書くのもめんどくさい
そう思って会社をバックレようという人が一定数います。
しかし、バックレは絶対にやってはいけません。
なぜバックレをしてはいけないのかというと、最悪の場合懲戒処分が下る可能性があるからです。
本人は会社を辞めたつもりになっているかもしれませんが、会社を無断欠勤していることと同義です。
長期間無断欠勤が続いたとして懲戒解雇を言い渡すことは不自然なことではありません。
無断欠勤した分を後から有給休暇にすることはできません。
そのため、会社を辞めたいときは必ず、退職届を提出するようにしましょう。
次の転職先を見つけて内定を貰っておく
会社を退職するにあたり、退職後の生活などを計画している場合は問題ないのですが、何らかの出来事があり急に退職することを決めた場合は次の転職先を見つけておくようにしましょう。
辞めたい気持ちが強いことから、とりあえず辞めてから考えようとする人もいますが、いざ転職活動を進めてみると簡単に理想の会社が見つからない可能性があります。
貯金がない場合、生活がどんどん苦しくなり最適な会社を見つけられないまま働くしかない状況になりかねません。
貯金額などに応じてなるべく退職前から次の会社など生活プランを考えておくようにしましょう。
寮などに住んでいる場合は次の住む場所を探しておく
数ヶ月前に退職の意思を伝え、引き継ぎなどを行いながら会社を辞める場合、ある程度時間に余裕があるののですが、退職代行を利用する場合などはすぐに退職が決定する可能性が高いです。
寮などに住んでいる場合、退職が決定してすぐに出ていく必要があるため、引っ越し先や段取りはある程度決めておくようにしましょう。
せっかく退職代行を利用してすぐに辞めることができたのに、次に住む場所が見つかっていなかったり荷造りができていないとなると会社側に迷惑をかけてしまいます。
得に実家から離れて住んでいる場合などは、注意が必要です。
繁忙期に退職を申し出るのは避けたほうが無難
退職は労働者全員に与えられた権利であり、民法第627条で退職日の2周間前までに退職の意思を伝えれば辞めることができます。
このルールが最優先となるのですが、揉めることなく円満退社するためにはなるべく繁忙期を避けて退職した方がいいでしょう。
数ヶ月前から退職の意思を伝えているのであれば、ある程度会社側も新しい人材を確保するなど融通がきくのですが、退職代行サービスで即日退社をする場合などは、すぐに対応することができず職場に負担がかかってしまいます。
どうしても辞めたいと感じている場合やパワハラなど退職の理由が会社側にある場合は別ですが、なるべく繁忙期は避けたほうが良いと言えます。
退職代行を利用する前に確認しておくこと
退職代行を利用して退職する場合、事前に確認しておくべきことが2つあります。
- 退職に関する就業規則
- 有給の残日数
この2つについて解説していきます。
退職金に関する就業規則
退職代行サービスを利用する場合、事前に退職金に関する就業規則などを確認しておきましょう。
退職金に関する規則があり、それに関連する話し合いや交渉を行うとなった場合、労働組合が運営する退職代行業者でないと交渉ができません。
また、裁判を起こしたりして問題解決をしたいといった場合に関しては、弁護士に退職代行を依頼した方がいいと言えます。
依頼後にこのようなことが発覚すると、迅速に対応することが難しくなります。
事前に調べた上で自分の理想を業者側に伝えて相談しておくようにしましょう。
有給の残日数
退職代行サービスを利用することで、やむを得ない事由がある場合は即日退職が可能であり、条件に合わないといった場合に関しても退職日まで有給休暇を消化して出勤せずに辞めることが可能です。
そのため、退職の交渉を進めやすくするためにも有給の残日数は調べておくようにしましょう。
仮に有給が全く残っていなかった場合に関しても、欠勤扱いにして出勤しないまま辞めることは可能ですが、その分給料が支給されないので退職後に生活が苦しくなる可能性があります。
退職代行に関する不安をまとめました
退職代行って本当に大丈夫か不安になることも多いと思います。
そこで退職代行に関する不安と退職代行を使うとどうなるのかについてまとめました。
ぜひご覧ください。
退職代行を使う前の不安 | 退職代行を使ってわかったこと |
---|---|
本当に退職できるか | 日本の法律上、間違ったことはしていないので退職できる |
即日退職できるか | 退職代行した日から有給休暇を使用することで事実上の即日退職が可能 |
退職届とか大丈夫か | 退職代行業者側がサンプルや作成の仕方を教えてくれることが多い |
退職金は支払われるのか | 就業規則を確認して、支払われるか確認 |
給料は支払われるのか | 日割り計算で支払われる。給料を支払わないのは違法になるので、この心配はしなくても良い |
引き継ぎをしなくていいのか | 引継ぎをする義務はないが、資料などがあると親切 |
本当に退職できるのか?
退職代行を利用して、本当に退職できるの?とお考えのひともいるでしょう。
退職代行を利用するとスムーズに退職できます。
なぜなら退職代行はプロの第三者が介入し、代わりに手続きを行ってくれるからです。
基本的に労働者は、退職の自由が保障されています。
しかし、実際は引き止められたり、嫌がらせを受けたり、そもそも退職を言い出しにくい雰囲気だったりとスムーズに退職できないケースもあるようです。
詳細は後述しますが、代理交渉や和解などの法律事務が行える弁護士や、団体交渉権を持つ労働組合が運営する退職代行ユニオンなど、信頼できる退職代行を利用すると、会社は無視することができないため、より退職が円満にいくでしょう。
即日退職は可能か?
退職代行を使っての即日退職は可能なの?という不安もあるでしょう。
結論から言うと事実上の即日退職は可能です。
民法627条によると、雇用の期間に定めのない労働者は退職を申し入れた2週間後にその効力が発生し、雇用が終了します。
しかしこれでは2週間は出社しなくてはならず、即日退職とは言えません。
そこで退職代行を利用し会社に退職を伝えた時点から、有給休暇を使用します。
するとその日から会社に出社する必要がなくなります。
このようにすることで、事実上の即日退職となるのです。
このため即日退職したい場合は、何日有給休暇が残っているか確認しておく必要があります。
退職届などの書類はどうすべきか?
退職代行を使って退職する際、退職届など会社に届け出なくてはいけない書類はどうしたら良いのか、代筆でも大丈夫?と迷うこともあるでしょう。
ですが退職には本人の意思表示が必要であり、代筆ですと本人の意思を明確にすることが基本的にはできません。
昭和48年の裁判例でも無効という判決が下されています。
このため、退職代行業者が退職届などを代筆するとうたっている場合でも、それは避けて自署で退職届を書くことがトラブルなく退職するために必要です。
ただこの場合でも、退職代行業者側で必要な書類のサンプルや作成の仕方を教えてくれることが多いので、作成にかかる心配はほとんどないといえるでしょう。
退職金は支払われるか?
退職代行を利用して退職したいけど、その場合退職金はちゃんと支払われるの?という心配もあるかと思います。
退職金は賃金の後払い的要素も大きく、それを退職後の当面の生活資金に充てたいと考えるひとも多いため、不安になるのも当然です。
まず退職代行を利用してたことによって退職金が支払われない、ということはありません。
ただ、そもそも退職したときに退職金が支払われないケース、または減額されるケースというのはあります。
実は退職金というのは法律で定められている制度ではないからです。
このため各会社の就業規則によって定められていれば退職金が支払われ、そうでなければ当然ですが支払われません。
減額も就業規則に規定されていればあり得ます。
よって、退職する前に就業規則をよく見て、退職金制度があるか、また減額規定があるかどうか確認する必要があります。
給料は支払われるのか?
退職したときに気になるのは、未払いの給料がちゃんと支払われるかどうかではないでしょうか。
特に退職代行で退職すると会社に直接確認しにくいので、不安が募るでしょう。
こちらに関しては、労働基準法第23条で、退職した際に権利者の請求があれば7日以内に賃金を支払うよう定めています。
このことから未払いの給料を支払わないのは違法になるので、心配する必要はありません。
退職した日が月の途中だとしても、未払いの給料は日割り計算で支払われます。
ただし交渉になるので、弁護士運営の退職代行か、労働組合運営の退職代行を利用することが大事です。
また、未払い給料の請求には労働基準法第115条によって時効が定められています。
時効は5年間(令和2年4月1日以前は2年間)ですが、当面の間経過措置として3年間となっている点にも注意が必要です。
引き継ぎをしなくていいのか?
退職代行を利用して退職しようとしているひとの中には、出社しづらい理由がある人も多くいます。
このため出社して引き継ぎを必ずしなくてはならないか、というのも気になることの1つでしょう。
結論から言うと、出社して引き継ぎをする義務はありません。
ですが引き継ぎの不備が、就業規則における退職金の減額に定められていることもあるので確認が必要です。
また、これら引き継ぎについての交渉も弁護士運営の退職代行や、組合運営の退職代行なら問題なく行うことができます。
ただお互い気持ちよく退社するためにも、できれば事前に引き継ぎ資料を作成することをおすすめします。
後任の担当者に対しても親切ですし、一層スムーズに退社する助けとなるでしょう。
退職代行サービスと弁護士・退職代行ユニオン等との違い
退職代行は運営元によって、1. 退職代行サービス、2. 退職代行ユニオン、3. 弁護士の3つに分けられます。
1から3の順に、退職代行においてできることが増えていきます。
具体的には退職代行サービスでは本人の意思を会社に伝えることや、アドバイス、書類作成の手伝いといったことしかできません。
しかし、退職代行ユニオンは労働組合法で規定されているのでこれに加えて交渉を行うことができます。
そして弁護士は、弁護士法に明記されているため、代理、仲裁、和解といった対応が可能です。
次項では3つの退職代行のそれぞれの特徴や費用の相場、また他の退職代行との違いを分かりやすく説明していきます。
退職代行サービス
退職代行サービスというのは、運営元が弁護士や組合などではない一般企業が、依頼者からの退職の意思を受けて、それを会社に伝えるサービスのことです。
一般企業は会社に対し、退職の意思を伝えることはできますが退職の条件について交渉することや、その結果に対して和解することはできません。
これら代理、仲裁、和解その他の法律事務を取り扱い、報酬を得ることができるのは、弁護士だけと弁護士法第72条に明記されているからです。(この72条に違反することを非弁行為 と言います。)
退職代行サービスが非弁行為を行うことで、実は退職できていなかったなどという会社とのトラブルになるケースもあります。そのため利用する際はしっかりと業務内容を確認する必要があるでしょう。
一方費用面では、一般企業が運営する退職代行サービスを利用する利点もあります。
退職代行サービスにかかる費用は3万円前後のところが多く、費用が比較的低めに設定されています。
また、企業ごとのサービスとして、後払いが可能 、退職できなければ全額返金 するといった特徴をあげている退職代行サービスも多くあります。
退職代行ユニオン
退職代行ユニオンとは、合同労働組合が運営する退職代行のことです。
そもそも合同労働組合とはどういったもの でしょうか。
よく耳にする組合とは、「企業別労働組合」のことを意味します。
ただし、企業別労働組合は企業を組織単位とする労働組合なので、その企業に属していないと参加することはできません。
企業別労働組合が組織されていない企業の労働者や、企業別労働組合から排除された労働者などが加入できる組合が合同労働組合です。
では、退職代行ユニオンに依頼し、退職代行を行う際はどのように進めていくのでしょうか。
退職代行ユニオンの場合、労働組合法第6条に明記された、労働組合が持つ「交渉権」を用いて会社と退職の交渉をします。
後述の弁護士とほぼ同様の交渉を行えますが、会社から損害賠償請求を受けた場合は、非弁行為に該当するため退職代行ユニオンでは対応できません。
ただし労働者が会社から損害賠償請求をされる可能性はほとんどないため、あまり気にする必要はないでしょう。
後述の弁護士が運営する退職代行と似たサービスを提供していますが、費用が2〜3万円と低めなのも大きなポイントです。
弁護士による退職代行サービス
弁護士による退職代行のサービスもあります。
これは労働者が弁護士と委任契約を締結 し、弁護士が代理として退職の手続きを行うケースになります。
弁護士はほとんどすべての交渉を本人に代わって行うことができるので、安心して退職にかかる手続きを任せることができます。
また他2つの退職代行では対応できない損害賠償請求を受けたとしても、弁護士ならば対応が可能なことも他の退職代行と大きく異なる点です。
費用は3〜10万円 と幅がありますが、一般的には5万円前後の費用が多いようです。
また、相談は無料という弁護士事務所や、基本の費用に加えて別途発生する費用があるなど、弁護士事務所によって金額はまちまちです。
前述の2つの退職代行に比べると高いと思われるでしょう。
ですが確実に退職したい、全面的に任せたいという需要も多く、弁護士に退職代行を依頼されるひとも一定数います。
どんな退職代行がいいの?おすすめの退職代行を紹介
現在、退職代行業者は数多く存在します。
中には費用だけ受け取って退職の連絡をしない、悪質な退職代行も存在します。
そこで料金や実績をもとに比較し、おすすめの退職代行を6つ紹介します。
- OITOMA(オイトマ)
- SARABA(サラバ)
- ニコイチ
- 辞めるんです
- 退職代行Jobs(ジョブズ)
退職代行OITOMA
- 退職できなければ全額返金保証がある
- 業界最安値(24,000円)の退職代行
- 労働組合が運営しているから安心
退職代行OITOMAは労働組合が運営している退職代行の中でも一番安い退職代行です。
退職成功率は100%と確実に退職することができます。
万が一退職できなかった場合は全額返金を保証しているので安心です。
退職代行OITOMAの口コミ
Aさん
Bさん
会社名・労総組合 | 労働組合 日本通信ユニオン |
---|---|
問い合わせ方法 | 電話、メール、LINE |
料金 | 24,000円 |
追加料金 | なし |
最短対応 | 即日 |
SARABA(サラバ)
- 退職できなければ全額返金保証がある
- 退職代行の先駆け
- 労働組合が運営しているから安心
退職代行SARABAは退職代行の先駆けとなった退職代行です。
退職代行OITOMAと比べて1,000円高いですがこれといったサービスの違いはありません。
様々なメディアに進出している有名な退職代行の1つです。
退職代行SARABAの口コミ
Aさん
Bさん
会社名・労総組合 | 株式会社スムリエ |
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問い合わせ方法 | 電話、メール、LINE |
料金 | 25,000円 |
追加料金 | なし |
最短対応 | 即日 |
ニコイチ
- 退職できなければ全額返金保証がある
- 多くの人の退職代行を実行
- 16年以上サービスを続ける老舗の退職代行
退職代行ニコイチは数ある退職代行の中でも実績豊富な退職代行です。
16年以上退職代行を行っている業者はニコイチしかないでしょう。
こちらも全額返金保証があるので安心して退職することができます。
退職代行ニコイチの口コミ
Aさん
Bさん
会社名・労働組合 | 株式会社ニコイチ |
---|---|
問い合わせ方法 | 電話、メール、LINE |
料金 | 27,000円 |
追加料金 | なし |
最短対応 | 即日 |
辞めるんです
- 実績多数
- 追加料金一切なし
- 退職代行業界初の後払いシステム
退職代行辞めるんですは業界でも初となる後払いに対応した退職代行です。
実績も豊富で信頼できる退職代行サービスの一つです。
追加料金もないので安心して退職できます。
退職代行辞めるんですの口コミ
Aさん
Bさん
会社・労働組合 | LENIS Entertainment株式会社 |
---|---|
問い合わせ方法 | 電話、メール、LINE |
料金 | 27,000円 |
追加料金 | なし |
最短対応 | 即日 |
退職代行Jobs(ジョブズ)
- 弁護士監修と労働組合のハイブリッド
- 転職サポートあり
- 24時間いつでも対応可能
退職代行Jobsは弁護士と労働組合系の良い部分を合わせた退職代行です。
弁護士系か労働組合系かで迷っている人はこの退職代行がおすすめです。
24時間いつでも依頼できるので夜遅くの人でも安心です。
退職代行Jobsの口コミ
Aさん
Bさん
会社名・労働組合 | 株式会社アレス |
---|---|
問い合わせ方法 | 電話、メール、LINE |
料金 | 27,000円 |
追加料金 | 労働組合費として2,000円 |
最短対応 | 即日 |
退職代行の退職金まとめ
いかがでしたか。
有給休暇や残業代と違い、退職金は就業規則を確認する必要があることがわかったと思います。
皆さんも退職代行を利用するときは就業規則を確認するようにしましょう。