Aさん
Bさん
人手不足が続く会社で、「しんどい、辞めたい」と思う一方で「私が辞めたらみんなが困る」と考えていませんか?たしかに一緒に頑張っている同僚のことを考えると、退職が言いづらいのは事実です。
しかし結論から言うと、いま所属している会社は早めの退職をおすすめします。なぜなら、慢性的に人材不足が続く会社は、今よりも現場が改善される見込みは薄いからです。それならば人手不足で辛い状況から早く解放されて、新たな道に進むことのほうが大切ですよね。
今回は職場で人手不足が起きるのはなぜか。また「退職するにはどう対処すべきか」について詳しく紹介していきます。適切な辞め方を知って、スッキリ新しい道に踏み出しましょう。
- 人手不足で退職するのは無責任ではない
- 人手不足が起きているのは会社側に責任がある
- 人手不足の会社で働いていると仕事量が増える一方でストレスが溜まる
- 退職の意志を無視されたり、言い出すことが出来ない場合は退職代行業者を使う
オイトマスタッフ
人手不足が起こる原因
人手不足はなぜ起きるのでしょうか。おもに原因は以下の3つです。
会社の経営不振で人材を採用できない場合や会社の怠慢で人材を確保する意識が低い、もしくは職場の環境悪化で人材が出ていって補充できないなどが考えられます。
①会社の経営不振
まずは会社の経営不振です。会社が経営不振になると少しでも資金を確保するために、経費を削減しなくてはなりません。そのため人材採用にお金がかけられず、人を採用できなくなります。
人件費は会社経営の中でもっとも費用がかかる項目のため、経営が悪化するとまず「人を減らす」会社は非常に多く見られます。しかしいい人材が雇えないということは、業務が円滑に遂行できず、さらに業績悪化を招くことになります。
業績悪化→いい人材が雇えない→業績悪化という「負のスパイラル」が起き、既存の従業員が苦労することになるのです。
②会社の経営努力不足
もう一つの要因に、会社の経営に関する意識の低さがあります。
経営安定を目指すには、お金の心配はもちろんです。しかしさらに継続して安定した会社を築くために「人を大切にする」必要があります。人がいなくては会社が機能しません。さらに給料が良くても、従業員同士がギスギスし、殺伐とした会社では働きたくないですよね。そのため特に下記3つのポイントに当てはまる会社はあまり信頼できる会社ではないため、注意が必要です。
作業効率が悪い
「同じ業務なのに毎回違う作業方法」「明らかに不要な工程がある」等、作業効率の悪さが目立つ職場は要注意です。
ただでさえ人手不足にもかかわらず、効率が悪い働き方をしていては一人ひとりの負担が増す一方です。この場合、まずは作業効率を上げる提案を上司に行いましょう。提案した結果、改善されるのであればまだ見込みはあります。しかし「昔からこのやり方だから」と意見を突き返されてしまえば、退職に向けて動き出しましょう。この考えが人手不足を招いています。仕事において作業効率は何度でも見直して効率アップを目指す必要があります。しかしつまらないこだわりや、風習に固執して従業員の首を締めるような会社は離れてしまいましょう。
労働に見合わない賃金
労働に見合わない賃金は、働き手のモチベーションダウンに直結します。
「毎日始発から終電まで働いているのに、給料は月15万円」と、労働に見合わない賃金の場合「何のために働いているんだろう」と無力感を感じます。本来、仕事は労働の対価として賃金を受け取るため見合わない給料に不満を感じることは当然です。
どれだけ仕事を効率的に進めても、成果を出しても給料に変化がない場合、退職して好条件の転職を目指す方法がおすすめです。
風通しの悪い人間関係
職場での人間関係は働く上で重要なポイントです。業務内容が興味ある分野だったり、やりがいのある内容だったとしても、一緒に働く人からパワハラを受けていたり、相性が悪いと出勤が億劫になります。また常に誰かが不満を漏らしているような職場も不愉快ですよね。
さらに上司とコミュニケーションがとれない職場も問題です。困ったときに上司に指示を仰げない、威圧的に対応される、等の風通しが悪い職場は人手不足が起こりやすい職場です。
③労働環境・労働条件が悪い
Aさん
Bさん
人材不足だと毎日長時間の残業をしなくてはいけなかったり、作業の確認がおろそかになりミスやトラブルがしょっちゅう発生したりと、本来不必要な仕事が増えます。また常に忙しい状況だと職場内の人間関係もギスギスしてしまいがちです。
さらに会社の業績は上がっているから常に忙しいのに、一向に給与などの待遇面の改善が見られないということはなでしょうか?業績が上がっているのに、給与が上がらないような会社は「会社が儲けること」だけを考えている会社です。そのようなところには長居をせず、正当な評価をしてくれる会社に転職したほうがいいでしょう。
人手不足で退職するのは無責任ではない
人手不足の会社を退職するのは非常に勇気が必要です。しかし人手不足の会社を退職することは無責任なことではないと心に留めておきましょう。
人手が足りず、いつも自分も周りも苦しんでいる。だからこそ自分が退職する際は罪悪感を感じますよね。
しかし人手不足はあなたの責任ではありません。そのため自分を責めず前を向いて退職を進めましょう。
人手不足の会社で働くデメリット
いつまでも人手不足を解消しない会社が、今後環境を改善する可能性は極めて低いです。さらにここでは人手不足の会社で働くことがいかにデメリットだらけかを解説します。
- なかなか辞めることができなくなる
- 社員が入社してもすぐに辞めてしまう
- 必然的に仕事量が多くなってしまう
- ストレスが溜まり心身に影響を及ぼす可能性がある
すでに思い当たる人も多いのではないでしょうか?もし自分の状況に当てはまっているのであれば、退職することをおススメします。
①なかなか辞めることができなくなる
人手不足の原因は何なのでしょうか?例えば新規事業の立ち上げならば、一時的なものなのでしばらくすれば改善されるでしょう。しかし慢性的に人手不足が続いている場合、早期に見切りをつけて退職すべきです。
いつまでも会社にいると、容量オーバーのまま仕事をし続けることになります。その場合、過労で心身ともに不調をきたすことはもちろん、退職を考えるよりも目の前の業務を必死でこなすことを優先するようになっていきます。
また周りの同僚に気を遣うばかりに、退職を言い出さないのも同じことです。先に他の同僚が退職していき、自分が言い出すタイミングを逃すことになってしまいます。大切なのは会社の業務ではなく「自分」であることを忘れないようにしましょう。
②社員が入社してもすぐに辞めてしまう
通常、退職者が出れば新しい人材を補充するので、本来ならば人材不足にはなりません。しかし会社の体質が悪いばかりに、せっかく入社した社員が辞めてしまっては本末転倒です。
このようなケースは同族経営の古い体質の会社によく見られます。古い体質の会社は求人を出せばすぐ人が来ると考えていることが多いです。つまり人が辞めてから次に動こうとするので、引継ぎがうまくいっていなかったり、長年勤めている人があまり仕事ができなかったりということが起こります。
さらに同族の人間が「親類縁者だから」と仕事もせずにふんぞり返っていると、新しく入ってきた人は「なんで仕事もしないのに給料は高いんだろう」と違和感を持ってしまい、定着する人材はなかなか現れないでしょう。
③必然的に仕事量が多くなってしまう
たとえ人手不足であっても、会社や部署に任せられた仕事は達成しなくてはいけません。一人が多くの仕事を抱えなければいけなくなります。そのうえ仕事には必ず相手や流れが存在します。前の工程が遅れてしまったり、取引先から仕事が降りてくるのを待っていたりすると、納期まで追い込んで仕事をする必要が出てくるのです。
またそうやって焦ってこなした仕事は、質が悪く業績悪化にもつながります。つまり仕事量が多いと質が低下し、業績が悪化すると人材が確保できず、さらに人手不足を呼ぶことになるでしょう。
④ストレスが溜まり心身に影響を及ぼす可能性がある
頼まれると断れない人は、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。仕事を任されるということは頼りにされているということですが、裏を返せば他の人たちが持て余した仕事を押し付けられているということです。自分が消化し切れる量であれば問題ありませんが、断れない人は自分の容量を超えてどんどん引き受けてしまうでしょう。
このように無理を続けていると、ストレスが溜まり、体だけでなく心も壊れる可能性があります。
⑤人手不足の職場は連鎖退職が起こる可能性が高い
人手不足の職場は、今いる人員でギリギリ業務が回っている可能性が高いです。
「辛いけど、みんなが頑張っているから自分も頑張ろう」となんとか踏みとどまっている人が多い場合、1人が辞めると芋づる式に退職を引き起こす可能性があります。
人手不足が起こるのは会社の責任である理由
Aさん
Bさん
確かに人手不足の会社で人が辞めると、残った人達は忙しくなります。しかしそれは退職したい人のせいではなく、会社の責任です。
①人材を確保する体制が整えられていないのは会社の責任
人材確保は社長が舵を切っていくべきことです。どんなに会社の中から「人を入れて欲しい」という声があがっても、会社がその方向に動いてくれなければ補充されることはありません。
また社員は一度採用されたら最低でも1週間に40時間、通勤なども含めるとほとんどの時間を会社のために過ごしていることになります。つまり「人一人を雇うということはその人の人生を背負う」といっても過言ではありません。そのようなことは会社の代表である社長以外に責任は負えないことです。
マニュアルがない・リーダーがいない
人材の確保や育成には「教科書」が必要です。
人が入るたび毎回違う教育をしていては人が育たないばかりでなく、会社として統一できなくなります。そのため会社は人材採用の際にはマニュアルや指導者を準備する必要があります。
マニュアルがあれば、入社して一読すれば「会社はこんな業務をしていて、どのような環境か」を判断できます。また入社した人に最初から信頼できる指導者をつけ、数ヶ月しっかりと業務指導を行えば人材の定着ができます。
②人がすぐ辞めてしまうのも会社の責任
人がすぐ辞めてしまうのも会社の責任です。もしあなたが入社した職場が仕事のできない人がのさばっている状態だったり、従業員が忙しさで殺伐としている空気だったりしたら、深入りする前に早々に見切りをつけてしまおうと思いませんか?
1日のほとんどを過ごす会社が居心地の悪い場所だと精神的に負担が大きいですよね。そのため会社側は従業員に正当な評価をすることや、人員不足の部署に人材を補充して、従業員の居心地の良い会社づくりを進める必要があります。
実際に募集をかけていたとしても、明らかに待遇と業務が見合ってない内容であれば入社したいと感じる人も少なくなりますよね。
人が育たず特定の人が過労状態に
人材不足の原因に「人材育成ができていない」理由があります。
会社側の研修制度やキャリアアッププランが明確にされていない場合、業務の遂行はおろか会社の基本的な方針や事業内容まで把握できないままの人材が増えます。
そのため「部分的にしか仕事ができない」人が増え、元からいる業務内容を網羅している人にばかり仕事が偏り、特定の人が過労状態になります。
特定の人に仕事を任せると、日常的には仕事が回っているように感じます。しかしその人が不在の場合や退職した際に業務が突然回らなくなり、業務崩壊を招きます。
しかし「自分は部分的にしか仕事ができない」とあなたが悩む必要はありません。研修や教育体制を整えない会社に問題があります。
人手不足の会社を辞める方法
人出不足の会社を辞める方法として押さえておきたいポイントがあります。
順番に詳しく説明していきます。
①転職先を決める
退職の決意が固まったなら、まずは就職活動を始めましょう。次の就職先が決まって入れば「絶対に辞めなくてはいけない」ので、会社から引き止めに合うのを防ぐことができます。たとえ無理やり引き止めようとされても、辞めるしかないのではっきりと断れるはずです。
転職先が決まっていなくても就職活動を進めて選考を受けておけば、退職後に円滑に転職できるでしょう。
②退職を報告する
退職を報告します。相談と報告では大きな違いがあります。
- 相談・・・退職してもよいか、いつ頃退職できるか、会社に相談する
- 報告・・・「〇月〇日退職します」と言い切る
「〇月〇日退職します」と報告すれば、話の主導権を会社に握られず強行突破できるはずです。退職の相談をしてしまうと会社に主導権を握られてしまい、「退職は待ってほしい」など引き止めはもちろん高圧的な態度で残留を押し切られてしまう可能性があります。
特に人手不足の会社には退職を持ち出すと、「周りの同僚がこれ以上忙しくなることをどう思うのか」のような責任を感じさせる言葉や、「お前のような奴はどこに行っても通用しない」など否定的なことをいう傾向がありますが、あなたの責任ではないので安心してください。
退職の報告をすると同時にその理由を聞かれると思いますが、「キャリアアップ」や「転職」などポジティブな理由を伝えましょう。会社の不平不満を伝えてしまうと、万が一その不満が改善された場合「退職する理由」がなくなってしまいます。
さらに「改善する」とその場で口約束のみして、実際にはなにも改善されないまま継続して働くことにもなりかねません。そのため、退職理由は「キャリアアップ」等の自分に理由があり、かつポジティブな内容にしましょう。
③できる範囲で退職日を会社の都合に合わせる
法律上、「退職の意志を伝えて2週間後」には退職が可能です。しかし基本的には会社の就業規則にのっとった退職が望ましいです。
会社によって規則は様々ですが「1カ月後」が一般的です。退職の報告をしたとき会社側が退職日の相談をしてきたときは、可能な範囲で譲歩しましょう。あまり強く「〇月〇日退職します」と言いすぎると会社側からの印象が悪くなり、退職の日までの期間が居心地の悪いものになってしまいます。
こんな時は退職代行を活用しよう
会社の都合にあわせて退職しようとしても、なかなか退職させてくれないシーンは多々あります。会社には退職を阻止する権限はないにもかかわらず「退職を認めない」と当たり前のように発言する上司もまれにいます。
そのため下記のようなケースでは、自分での退職強行は心身ともに疲弊するためぜひ退職代行を検討しましょう。
退職を渋られた時
上司に退職を切り出したときに「もう少し待ってほしい」「代わりが見つかるまで」と期間を定めず渋られた場合、自力で退職できる見込みは浅いため退職代行を活用しましょう。
特に優しい方の場合、情にほだされて「人がいないしもう少しだけ」と流されてしまいます。流されればあとは会社の思うツボ。退職は遠のきます。
自分が優柔不断だったり、断ることが苦手と感じる場合は退職代行にサポートを依頼しましょう。
脅された時
渋られるだけならまだしも、ブラック企業には退職を伝えると恐喝まがいの行為にでる上司もいます。「辞めたらお前の家にいく」「実家に嫌がらせに行く」と退職希望者を精神的に追い詰める発言をしたり、暴力で解決しようとするケースもあります。
この場合、自分だけでは解決できないため第三者に介入してもらう必要があります。ぜひ退職代行を活用しましょう。また暴力や脅しは証拠を集めて訴訟できる可能性もあります。
人間関係悪化で退職を伝えられない時
上司からの脅しや引き止めだけでなく、職場内の人間関係が全般的に悪化している場合も退職は難しくなります。人手不足の職場は個々が膨大な業務に追われ、お互いにピリピリした状態にあります。そこに「辞めたい」と言えばどうなるか、想像に難くないですよね。
人間関係の悪化による退職困難のケースも、ぜひ退職代行を活用しましょう。
あなたに代わって業者が退職の交渉や各種手続きをサポート可能です。
どうしても会社を辞められない時は退職代行を使うのがおすすめ
上記のように「退職するぞ」と意志を固めても、やはり職場の雰囲気や上司の状況次第で簡単に退職できない場合があります。そのようなときは退職代行サービスを利用してください。退職代行は「自分で退職できない人に代わって」退職を完了させてくれます。依頼した日から会社と直接連絡を取らず、しかも出社することなく退職することができます。
退職代行も最近ではたくさんの業者ができ、業者によって対応できることは様々です。
まず退職代行を依頼するポイントとして、退職代行には「即日対応」と「即日退職」の2つがあります。即日対応の業者は依頼したその日に会社へ連絡を入れてくれるので、退職日まで出社の必要がありません。一方で即日退職であれば依頼したその日に会社に連絡してくれるだけでなく、即日で退職可能です。「どうしても今日退職したい」ということであれば、即日退職の業者に依頼するのがおススメです。
- 即日対応…依頼したその日に会社へ連絡してくれる。退職日まで出社する必要がなくなる。
- 即日退職…依頼したその日に退職可能。
もう一つの業者選びのポイントは、弁護士か労働組合が運営している業者を選ぶことです。なぜならば弁護士と労働組合は会社との「交渉権」を持っているからです。
交渉権を持たない業者のことを「非弁業者」といい、このような業者は退職日や未払い給与、有休など会社との交渉ができません。つまり会社から「退職代行業者とは交渉しません」と言われたら退職自体を失敗してしまうのです。非弁業者はおもに民間の業者です。同じ「即日退職」を明示していても、交渉権を持った業者に依頼するようにしてください。
運営元 | 会社との交渉 |
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弁護士 | できる |
労働組合 | できる |
民間の業者 | できない |
【人手不足で仕事を辞めたいと言えない場合の対処法ご紹介】まとめ
人手不足の会社で働き続けるのは体にも心にも負担をかけて辛いことです。それを我慢して「同僚に悪いから」「自分が抜けると仕事が回らなくなるから」と退職を言い出せなくなっているのは間違っています。人手不足なのも仕事が回らなくなるのも、退職したいあなたのせいではなく会社の責任です。
一番に考えるべきなのは会社や仕事ではなく「自分の今後」ではないでしょうか。今の状況から抜け出したいのであれば、次の職場を決め「〇月〇日退職します」と強い気持ちで会社に退職意志を伝えましょう。
しかし会社の雰囲気によっては、退職を言い出しにくいこともあるはずです。その時は退職代行サービスに頼るのもいいことです。退職代行サービスを利用するなら弁護士や労働組合の「交渉権」を持った業者を選ぶようにしましょう。弁護士や労働組合の退職代行業者に依頼すれば、あなたの希望通りの退職が可能になります。