Bさん
Aさん
本当は派遣を辞めたいのに、我慢している人も多いでしょう。
辞めたい理由があるのであれば、我慢して続ける必要は全くありません。実は、即日でも派遣を辞めることが可能です。
この記事では、派遣を即日辞める方法や気を付けるポイントを解説します。派遣を辞めたいのに我慢している人はぜひ参考にしてみてください。
派遣を辞めたいのに我慢する必要はない
まず結論から伝えますと、少しでも我慢してしまっているならば、悩む必要は全く無く、いまやっている派遣を辞めましょう。
派遣は3か月や6か月などのように、契約期間がありますので、契約更新時に辞める事が可能です。
派遣の仕事では、契約更新時に辞める人は多く、一般的に見てもよくあることなので、我慢して続ける必要は全くありません。無理して仕事を続けると、心身ともに悪影響ですし、つらい使仕事を続けるくらいならば、心機一転、新しい仕事で頑張った方が良いです。
いまやっている派遣を辞める手続きをはじめたら、必ず次の仕事について考えておきましょう。別の派遣先で働くのか、正社員として働ける仕事を探すのかなどを考えておくことが大切です。金銭面で余裕があるならば、次の仕事まで少し休みの期間を取るというのも1つの手です。
結論:派遣を即日辞めることは出来るが契約形態に注意
派遣を即日辞めることは可能ですが、どのような派遣契約をおこなっているのかによって、少し状況や対応方法が変わってきます。
派遣契約には大きく「無期雇用契約」と「有期雇用契約」の2つがあります。ご自身の派遣契約がどのような派遣形態なのかを確認しておきましょう。
では、派遣の契約形態によってどのように変わるのかを解説していきます。
無期雇用契約:即日退職出来る
雇用期間の定めが無い無期雇用派遣の契約をしている場合、雇用期間が定められている有期雇用派遣と違い、民法第627条が適用されます。
【民法第627条】
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
このため、正社員と同じ条件で、派遣社員からいつでも辞めることを伝えても問題ありません。
但し、1つだけ注意が必要なのですが、民法第627条では辞めるまで最短でも2週間が必要となっています。そのため、派遣を即日で辞める場合、辞める申し入れや退職届を出した後に、有休休暇を取得したり、欠勤扱いで休みを取得したりして、2週間仕事に行かない期間を作ることで実質、即日で辞めることができるようになります。
有期雇用契約:即日退職は難しい
派遣の仕事では、ほとんどの場合が派遣元と有期雇用派遣(期間の定めがある契約内容、登録型派遣とも呼ばれる)で契約します。
残念ながら、有期雇用契約での派遣の場合、働く期間が定められていることから、期間の途中で辞めることは認められにくくなっており、即日辞めることができないケースがあります。
しかし、例外として、有期雇用契約であっても即日に辞めることができるケースもあります。
では、どのような場合に即日辞めることができるのかを解説していきます。
有期雇用契約の派遣が即日退職出来るケース
一般的には、有期雇用契約の場合、即日で辞めることは難しいです。しかし、次にあげる条件に合う場合、有期雇用契約であっても即日に辞めることができます。
有期雇用契約であっても即日に辞めることができるケース2つを紹介します。
ケース①勤務期間が1年を超えている
有期雇用契約をしている場合でも、労働基準法第137条にて定められている通り、勤務期間が1年以上経過している場合に限り、働いている者の希望するタイミングでいつでも辞めることができます。そのため、有期雇用契約であっても、即日で辞めることが可能です。
但し、契約期間が1年を超える場合を想定された内容であり、例えば3か月契約を継続で繰り返して、合計1年以上になったというような場合は、適用外となってしまいますので気を付けてください。
【労働基準法第137条】
期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
ケース②やむを得ない事由で派遣を辞める事が認められる
働く期間の定めがある有期雇用派遣であっても、民法628条で決められている「やむを得ない事由」に一致すれば、即日でも派遣を辞めることができます。
【民法第628条】
(やむを得ない事由による雇用の解除)
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
では、やむを得ない事由とは、具体的にどういったものでしょうか。やむを得ない事由にあたる例をいくつか紹介します。
- 使用者が労働者の生命・身体に危険を及ぼす労働を命じた
- 賃金不払いなどの重要な債務不履行が発生した
- 労働者自身が負傷・疾病・心身の障害などにより就業不能に陥った
- 業務内容が法令に違反している
- 両親や子供の病気、または介護など
※病気や心身への影響は診断書が必要です
やむを得ない事由が派遣会社に認められることで、本人と派遣会社の両者で合意に至れば即日で辞めることが可能です。
派遣を即日辞めるまでにやっておきたい準備と流れ
派遣を即日で辞める場合、提出する書類の準備や業務の引継ぎなどについて事前に準備して進める必要があります。
では、どういった準備が必要で、どのような流れになるのでしょうか。
派遣を即日辞めるためにやっておきたい準備と流れを紹介します。
STEP1.次の派遣元や転職先を探しておく
まず派遣を即日で辞める場合、どのような理由であっても派遣会社や派遣先の会社に少なからずご迷惑をかけることになります。よって、同じ派遣会社から再び仕事を紹介してもらうことは非常に難しくなりますので、辞める前にきちんと認識した上で行動を取るようにしてください。
なお、辞めた派遣会社には即日で辞めた記録が残りますが、他の派遣会社にその情報が伝わることはありませんので安心してください。派遣を即日で辞めた後に、どの派遣会社と契約するのか、その会社に正社員として転職するのかなどについて探しておくことをおすすめします。
STEP2.退職に関する書類を書き保険証と併せて提出
派遣を即日で辞める場合、雇用保険の脱退に関する書類を記載して派遣会社に提出が必要となります。また、その書類提出と一緒に健康保険証も返却するケースが多いです。
どのような書類提出が必要なのかは、契約形態や派遣会社によっても異なる場合があるため、実際に辞める申し入れをした際に確認するようにしてください。
なお、書類や保険証の返却は派遣会社へ郵送での提出が認められる場合が多いですので、即日で辞めた後で、数日以内に郵送するという方もいます。
STEP3.業務の引継ぎやデータの整理
派遣に限らず、会社を辞める場合には、業務の引継ぎに時間が掛かってしまいます。特に、業務について1人で担当しているものがある場合は、後任者へきちんと引継ぎをしなければならないため、通常よりも時間が掛かります。
そのため、あらかじめ何の業務について、引継ぎが必要なのかは検討しておく必要があります。業務の内容だけではなく、現在の状況やこれまでのデータなどを引継ぐことになります。
引継ぎにかかる期間は担当業務の内容によって変わりますが、1~2週間前から準備しておく人が多いです。
STEP4.派遣先にある私物の回収と備品の返却
派遣先に私物が置いてある場合、辞めた後も私物が残っていると派遣先の会社は私物を勝手に処分することもできず、非常に対処に困ってしまいます。勝手に処分してしまい、トラブルとなってしまうケースもあります。
このようなトラブルにならないためにも、派遣先に出社する日がある場合は、私物を持ち帰り、辞めた後に私物を回収するために出社しなくても良い状況にしておきましょう。
辞めるまでに私物を改修するタイミングが無い場合は、派遣先の会社に相談して、後日に着払いで私物を郵送してもらいましょう。
派遣を即日退職するまでの流れ
派遣を即日で辞める場合、どのような流れになるのでしょうか。
即日で辞める当日の流れは非常にシンプルで、派遣会社に辞める意思を連絡するだけです。
連絡手段は電話での連絡をおすすめします。こちらの意思や考え方がきちんと相手に伝わったかどうかを確認するには、電話での連絡が良いです。
どうしても電話がつながらない場合は、メールで連絡するという手段もあります。
①電話で退職を伝える場合
電話で辞める意思を伝える場合、難しい内容を伝える必要は無く、シンプルに退職したい旨を言いましょう。
【例】
お疲れ様です、〇〇(名前)です。
今働いている派遣先○○(派遣先の会社名)ですが、本日をもって退職させてください。
この後、派遣会社から色々と質問されると思いますので、質問に回答していきましょう。なぜ辞めるのかという退職理由に関しては必ず質問されますので、事前に退職理由だけは明確に回答できるように考えておきましょう。
なお、派遣先への退職の連絡は、派遣会社が実施しますのでご自身で派遣先へ連絡する必要はありません。
②メールで退職を伝える場合
万が一、派遣会社に電話がつながらない場合はメールでの退職連絡も可能です。
【例】
株式会社○○(派遣会社名)
◯◯様(担当者の名前、特に担当者がいない場合は「ご担当者様」)
お世話になっております。
〇〇(名前)です。
今働いている派遣先○○(派遣先の会社名)ですが、
○○(退職理由)のため、退職させていただきたく存じます。
退職希望日:○○(退職を希望する日付)
突然のご連絡で大変申し訳ございませんが、
何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。
繰り返しになりますが、退職連絡は電話または直接会って伝えましょう。メールはどうしても電話がつながらない場合の最終手段だと思ってください。
派遣をどうしても辞めたい際は退職代行を使うのもアリ!
- 退職意思を伝えても受け入れてもらえない
- 時間がなくて退職手続きをおこなう余力が無い
- 派遣会社とコミュニケーションを取ることがつらい
派遣を辞めようと思っても、このようなケースでスムーズに退職できない場合もあります。そのような場合は、退職代行を利用して退職することを検討しましょう。
退職代行を利用すれば、費用は掛かりますが、派遣会社と直接やり取りする必要が無く、退職までスムーズな流れで進めることができます。
退職代行を使って派遣を即日退職するまでの流れ
退職代行を使って、派遣を即日辞めるまでの流れを紹介します。
- ①退職代行業者へ無料相談
- ②退職に関する必要事項の記入
- ③料金の支払い
- ④会社へ退職の連絡
- ⑤貸与物の返却
- ⑥退職完了
退職する際に一番難しい派遣会社とのやり取りを全て退職代行業者が実施してくれますので、無駄なストレスを感じることなく、退職することが可能です。
退職代行サービスを利用した場合、あなた自身が対応することは「退職代行業者への依頼」、「料金の支払い」、「退職届・会社への返却物の郵送」だけです。
派遣会社へ辞める意思を伝えることにストレスを感じるようであれば、退職代行業者へ無料相談してみることをおすすめします。
派遣を即日退職する際によくある質問
派遣を即日辞めることについて、不安に思うこともあるでしょう。ここでは、派遣を即日辞める際によくある質問を紹介しておきます。
同じような不安を持っていた人は、参考にしてみてください。
契約途中で派遣を辞めると損害賠償請求をされる?
一番多い質問が、契約途中で派遣を辞めると損害賠償請求をされるかどうかです。
結論から言うと、契約途中で辞めたからといって、辞めた派遣社員が損害賠償を請求されることはありません。
確かに派遣社員が突然辞めてしまい、派遣先の会社によって損害が生じるかもしれませんが、そこは派遣業の中では、慣例・習慣のようなこともあり、あまり心配しなくても大丈夫です。
但し、即日で派遣を辞めた場合は、同じ派遣会社でまた仕事を紹介してもらうことは難しくなりますので、その点はあらかじめ認識しておいてください。特に大手の派遣会社で、即日辞めた記録が残ると、次の派遣の仕事を探す際に、派遣先の会社がある程度限定されて来てしまいますので、ご注意ください。
派遣を辞める場合は退職日の2週間前に伝えないといけない?
次に多い質問が、派遣を辞める場合は退職日の2週間前に伝えないといけないのかについてです。
2週間前までに伝えないと違法という認識がされている場合もありますが、これは間違いです。
民法で定められている「2週間前」という基準は、あくまで「引継ぎや退職手続きの期間が必要なため、最低でも2週間前に退職の申し入れをしましょう」という意味で記載されています。
やむを得ない事由で辞める場合は、辞める権利が認められるため、2週間前という基準は全てのケースで適用される訳ではありません。
派遣を即日辞める方法まとめ
派遣を即日辞める方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
派遣を辞めたいと悩んでいるならば、我慢する必要はありません。契約形態によって、正しい流れで進めれば、即日派遣を辞めることは可能です。
正しい情報を把握して、ご自身がどうしたいかを考えてみることをおすすめします。